世界で一番美しい元素図鑑 [書評]
世界で一番美しい元素図鑑 |
VIP接待中にVIPに紹介されて,見事に買うように仕向けられた本.VIPが欲しかった本のようで,絶対乗ってくると思ったと言われた.手のひらの上で転がされている!?
内容は題名通り,すべての元素の図鑑である.その元素の結晶やどういうものに使われているか写真が豊富で見ているだけで楽しめる.
例えば,水素のところにはワシ星雲の写真.説明には「可視宇宙の元素うち質量比で75%を水素が占める」とある.基本は見開き1ページで1つの元素だが,一般的な元素は4ページある.銅のページでは銅のコイン,CPUの放熱板,中国製の龍の安いブロンズ置物から著者が自分で作った銅製の周期表テーブルまで.
説明文はだいたい真面目に書いてあるのだが,少しウィット・洒落が入ってて飽きさせない.例えば・・・
ナトリウム「・・・黄色っぽい光のナトリウムランプがあります。・・・これに照らされると色が変になって人間がみんな死人のように見えるのが欠点です。」
バナジウム「バナジウムは強い力と不屈の精神を本領とする一方で、優美な一面も持っています。一部のエメラルドの緑色は、不純物として含まれるバナジウムによるものです。」
ユウロピウム「ユウロピウムを使った赤い蛍光体が登場します。カラーテレビは急に明るく鮮やかになり、世界中の子供たちの精神を堕落させるのに大きく貢献しました。」
アインスタイニウムの欄にはアインシュタインの写真があるだけで,元素そのもの写真はないものの原爆開発の裏話が書いてある.
もちろん図鑑として必要な基本的な元素の情報も載っている.原子量,密度,結晶構造,電子が入っている軌道はもちろん,融点・沸点の温度がページの右端に書いてあって,ページを少しずらすことで融点・沸点にもちゃんと規則性があることが分かる.
面白いのは原子発光スペクトルが書いてある点だろうか.これを見ればオーロラが酸素のこの発光ラインで光っているというのがすぐわかる.残念ながら,酸素のページにはオーロラの写真はないのだけれども.
2011-11-13 12:25
nice!(0)
コメント(2)
トラックバック(0)
本屋ではみかけたことあります。
そんな面白い解説がのっていたんですね。
ちょっと欲しくなってしまいました。
by あおみ (2011-11-13 21:49)
おっと,あおみ殿にも見つかってしまった・・・.
お子さんの教育用にいかがでしょう?小さいうちはびりびりに引き裂かれるのが落ちですが・・・
by かっきい (2011-11-14 00:57)